コスチュームジュエリーは貴金属ではない素材を使って作られたジュエリーのことを言います。
もともと劇場で使われたことからその名前がつけられました。
ここで、なぁーんだガラスの偽物かとがっかりしないでください。
そのデザインの美しさ、かわいらしさは現代のものとは一味違うよさがあります。
アメリカではコレクターも多く専門の本もたくさんでています。
万単位で売買されているものもたくさんあります。
それはガラスか本物のジュエリーかということよ
りも、デザインの美しさに価値を見出しているか
らです。
1920年代頃、アメリカやイギリスで女性が参政権を勝ち取るようになると、いろんな意味で女性の生活は開放され、コルセットで体をしめつけられていたファッションが、体のラインをだすドレスやミニスカートに徐々に変化していくようになりました。
長い髪をばっさりと切り、ショートカットにあう長めのイヤリング、何連もあるブレスレットなど、ファッションの変化にあわせてジュエリーも変化していきます。
時代の流れにのって、ファッションとコスチュームジュエリー界に劇的な変化をもたらしたのは、ココシャネルとエルザスキャパレリの2人です。
1927年にシャネルが明らかにフェイクとわかる大きな真珠やガラスを使ったコスチュームジュエリーを発表しました。
彼女にとって、ジュエリーとは、使われる素材に価値があるかどうかよりも、身に着けた人のファッションにあうかどうかということのほうがはるかに重要でした。
続いてスキャッパレリも1927年にメゾンを開き、1928年にはショップをオープンさせ、次々とユニークなコレクションを発表しました。
1929年にニューヨークの株の大暴落で世界的に大不況になっても、女性たちのキラキラと輝くジュエリーへの情熱が冷めることはありませんでした。
当初ヨーロッパではコスチュームジュエリーは宝石の代用品としか見なされていませんでしたが、不況や戦争、贅沢品にかかる増税がコスチュームジュエリーの発展に拍車をかけました。
1930年代頃から、ゴールドやダイヤなどの高価な素材からガラス、合金、人造真珠を使ったコスチュームジュエリーが大量に作られるようになります。
長引く不況で、ティファニーで買い物することはできなくても、本物のジュエリーと見分けがつかないくらい美しいコスチュームジュエリーは値段を気にすることなく、ファッションにあわせてつけかえることが可能でした。
そして、このコスチュームジュエリーを世に広めたのがハリウッド女優たちでした。
きらびやかなコスチュームジュエリーを身に付けたハリウッド女優は、不況で映画館にいることが多くなったアメリカの女性たちをたちまち魅了したのです。
アメリカのファッションマーケットは、パリから独立しアメリカ独自のファッションを展開しはじめました。
トリファリやブーシェなどのアメリカのデザイナーたちは、彼女たちがガラスのジュエリーに熱狂するのを見て、ヴァンクリーフアーペルやカルティエで作られたジュエリーをガラスの石に変えて、工場で大量生産するようになります。
1945年頃には、アメリカでのコスチュームジュエリーの売り上げは3倍になりました。
ジュエリーはもはや男性からプレゼントされるものではなく、自分自身で選んで身につけるという時代になっていきました。
現在、私たちが手にしているコスチュームジュエリーの大半は、この時代に作られた工場の生産品で、ヨーロッパのメゾンで作られたコスチュームジュエリーは職人による手作業だったため数が大変少なく限られていたため、市場にでまわったとしても何十万という高値がつけられています。
平和な時代に生きている私たちとは比べ物にならないくらい、当時の女性は戦争や世界的な大不況と辛く苦しい時代を生き抜いてきました。
そんな辛い時代でも美しくあることをあきらめなかった彼女たちが愛したジュエリーは半世紀を経ても尚、現代に生きる私たちを魅了し続けています
Collector's Guides: Costume Jewelry (DK Collector's Guides)
Fabulous Fakes: A Passion for Vintage Costume Jewelry
Miller's Costume Jewelry: How to Compare & Value (Miller's How to Compare & Value)
The Jewels of Miriam Haskell
渡辺マリのミリアム・ハスケルコレクション
骨董をたのしむ (52) 永遠のアンティークジュエリー 別冊太陽
The Bakelite Jewelry Book
ニューヨークヴィンテージ―クラシックなファッション小物
『Collector's Guides Judith Miller』はコスチュームジュエリーが豊富で写真を見ているだけであきません。これ一冊でメーカーの名前、歴史、特徴、参考値段などを知ることができます。コスチュームジュエリー初心者も上級者も楽しめるイチオシの一冊です。
『FABULOUS FAKES』は直訳すると『素晴らしい偽物!』こちらもコスチュームジュエリーの歴史を紹介しながら時代ごとにコスチュームジュエリーがのっています。こちらも商品点数が多く写真も見やすくきれいです。
『Miller's Costume Jewelry』はコスチュームジュエリーのメーカーごとにコスチュームジュエリー一点一点詳しく書かれている本です。上記2冊買ってもっと知りたい!という方におすすめ。
『The Jewels of Miriam Haskell』は表紙からしてなかなかそそられる本です。在庫が少ないのか、もう絶版なのか高額なお値段になっているのがネックです。絶版となっているため高額ですが、ため息がでるくらい美しいミリアムハスケルのジュエリーを堪能できます。
『渡辺マリのミリアム・ハスケルコレクション』も、ジュエリーの点数も多く写真もきれい。一点一点説明がついています。すべて日本語なのでストレスなく読めます。ハスケルの生涯についても書かれています。洋書が苦手な方はこちらをお勧めします。
『骨董をたのしむ』はどれもため息がでる程の本格的な美しいアンティークジュエリーが堪能できます。コスチュームジュエリーも最後の方に少し紹介されています。
『The Bakelite Jewelry Book 』The Bakelite Jewelry Book はベークライトでできたジュエリーがたくさんのっています。かわいくてあったかいベークライトのジュエリーは、見ているだけで心なごませてくれます。
『ニューヨークヴィンテージ』は、ジュエリーだけでなくバッグや洋服などもたくさん紹介されています。当時の女性のファッションや歴史についても書かれています。ヴィンテージファッション好きにはたまらない一冊です。
『コスチュームジュエリー』は、コスチュームジュエリー初めての方は何よりこの本を先に購入してください。コスチュームジュエリーの歴史、メーカーの説明など日本語で書かれた数少ない本です。日本語でこれだけ詳しく書かれた本はなかなかありません。
『The Art of Juliana Jewelry』はジュリアナを知るならこれ一冊!という感じの見ごたえのある本、ジュリアナのジュエリーはサインが入っていないので、ジュリアナかどうか見分ける参考書にもなります。
洋書を選ぶ際のポイントは、
写真が多くきれいに撮ってあるのを選ぶこと。
そうすれば英語が理解できなくても十分楽しめます。
- Austria(オーストリア)
- Boucher(ブーシェ)
- Chanel(シャネル)
- Christian Dior(クリスチャンディオール)
- Ciner(サイナー)
- Coro, Corocraft(コロ コロクラフト)
- De Mario(デマリオ)
- Eisenberg(アイゼンバーグ)
- Gerry’s(ゲーリーズ)
- Hattie Carnegie(ハッティ カーネギー)
- Hobe(ホベ)
- Hollycraft(ホーリークラフト)
- JJ(ジェイジェイ)
- Jomaz(ジョマーズ)
- Juliana(ジュリアナ)
- KJL(ケージェイエル)
- Kramer(クレイマー)
- Lea Stein(リアスタイン)
- Miriam Haskell(ミリアムハスケル)
- Regency(リージェンシー)
- Robert(ロバート)
- Schiaparelli(スキャパレリ)
- Schreiner(シュライナー)
- Stanley Hagler(スタンレーハグラー)
- Swoboda(スワボダ)
- Trifari(トリファリ)
- Vendome(ヴァンドーム)
- Weiss(ウェイス)
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サロンへお気軽にお越しください 「コスチュームジュエリーってどんなの?一度見てみたい!」 お客様のお洋服を持ってきていただいて キラキラ輝くコスチュームジュエリーやアンティークウォッチたちをぜひ手にとってご覧ください。 |